【IELTS】そもそもどんな試験?
こんにちは、kenkenです。
12月に入って早くも1週間が経って、シドニーでも本格的な夏の到来が感じられるようになりました。
今回、本当は前回までの続きで、筆者のフィリピン留学時代の英語学習についての体験談、後半のIELTS試験対策コースでの様子について書いていきたい、と考えていました。
が、先に予備知識としてIELTSについて説明しておいたほうがいいかな、と感じたので今日はそれについての記事を書いていきます。
IELTSとは?
みなさんそもそもIELTS、ってなんやねん。
と言う方もいるかもしれません。
ここでは分かり易く説明していきたいと思います。
概要
IELTS(International English Language Testing System)とは英語熟練度を測る英語検定の一つで、イギリスのケンブリッジ大学英語検定機構、英国文化振興会(British Council)、IDP Educationによって共同運営されているものです。
アカデミック・モジュール(Academic Module、大学や他の高等教育機関への出願のためのテスト)とジェネラル・トレーニング・モジュール(General Training Module、日常生活や、移住関係に関わる英語のテスト)の2種類があります。
ちなみに僕は、フィリピン留学ではGeneral、シドニーに渡ってからはAcademicの勉強をしていました。
また近年IELTS試験の注目度が上昇してきておりイギリス、カナダ、オーストラリア、アイルランド、ニュージーランドのほとんどの教育機関で受け入れられ、また、最近ではアメリカの3000以上の教育機関でも受け入れられています。またオーストラリア、ニュージーランド、カナダでは移民必須条件にもなっています。
合否はなく、試験結果は0から9のバンドスコアで示されており、大学・大学院入学、移民に必要なスコアなどは教育機関、国によって各々決められているようです。
試験構成
IELTS試験は以下の4つの試験によって構成されています。
・Listening
・Reading
・Writing
・Speaking
Listening
【試験時間:30分、問題数:約40問】
日常的な会話や話し言葉から、講義、セミナーまで多岐にわたる内容が出題されます。会話や文章が録音されたCDを1回だけ聞き、その内容に関する質問に答えていく形式です。
試験内容はAcademic、General Modeuleで変わりはありません。
他のテスト(TOEFLや TOEIC)と異なるのはリスニング問題を聞きながら問題用紙にメモを書いたりできることや、別に解答用紙に回答を書き込みをする時間が与えられていると言うことです。また、問題構成はTOEFLやTOEICと異なり、選択肢が5個以上あることや電話番号や数などを正確に解答しなければならないです。
【採点方法】
正答1問につき1点です。
記述形式が多くあり、スペルや文法の間違いも減点対象となるので注意する必要があります。
Reading
【試験時間:60分、問題数:約40問】
試験では文章が3つ(トータルで約2,000~2,750語)出され、これらに対してさまざまな形式の問題が40問出題されます。
このセクションでは解答用紙に記入するための特別な時間は用意されておらず、すべて60分以内に解答しなければなりません。
また、前述のListening試験とは異なり、GeneralとAcademic Module間では問題構成が大きく異なっています。
General Training の場合、問題文は、注意書き、広告、公式文書、小冊子、新聞、マニュアル、チラシ、時刻表、雑誌、書籍などから出題されます。基本的に1問目と2問目は実際に留学したての頃の現地での生活を想定した問題が多いらしく(住まいやアパートの比較・商品の説明・英語学校のパンフレットなどTOEICのReading問題に近い)、3問目に関しては、実際に受験者が大学生活で想定する文章(Academic Moduleと同等の問題)が出題されます。
Academicの場合、問題文は、雑誌、新聞、書籍などから出題されるようですが、一般教養に関するものが多く、これといった専門知識は必要とされません。
少なくとも1問は論理的な議論を扱ったものがあり、ほかにグラフやイラストを使用した文章が登場する場合もあります。救済措置として、文章中に専門用語が使われている場合には、簡単な用語解説がついている場合もあります。(この辺りは単語のレベルによります)
また選択肢以外に単語で解答する問題形式もあ理、3つの問題のうち最低1問は文章全体を把握しないと大幅に得点ロスになってしまう問題が頻繁に出題される傾向にあるようです。
なお、日本で受験できる英語試験で1時間で2,500字の文章読解を課されているのは英検1級・準1級ぐらいらしいです。笑
【採点方法】
正答1問につき1点です。
ちなみに、Listening, Readingのスコアは次のように概ね次のように計算されます。
(出題レベルによって若干の変動はあります)
また、バンドスコアに関してはのちに解説していますので、そちらをご覧ください。
Writing
【試験時間:60分、問題数:2問】
試験ではGeneral Training、Academic ともに1問目Task 1は最低150単語(約20分)、2問目Task2は最低250単語(約40分)で自分の考えなどを論述しなければなりません。
General Training の場合、Task1は、提示された問題に関して、現状を説明したり情報を請求したりする手紙を書きます。個人的な内容の文章ではあるが、全体的にフォーマルな感じの文章に仕上げることが求められているように感じます。
またTask2は、Academic Modulesの場合と同様に、与えられたテーマに対して意見を述べ、論証していくものです。テーマに関してはTOEIC Speaking&Writing Testのようにごく日常の暮らしの意見の問題が多いです。
Academicの場合、Task1は、グラフや図などで与えられた情報を整理し、文章にまとめるというもの。またTask2は、与えられたテーマに対して意見を述べ論証していくタイプのものです。ここでは、試験官や先生に提出するような、短いエッセーや一般的な報告書の形式の文章に仕上げるように求められます。
Task1, 2とともにGeneral Trainingと異なるのは、データなどを説明して論理的に展開して今後の推測を説明する形式があること、両方の問題が大学で実践的に用いれるようなデータや図式の説明、試験の論文作成に特化した問題が多いことです。
【採点方法】
Task 2はTask 1よりも配点が高いです。(一般的にはTask2が7割、Task1が3割程度と言われています)
また、解答は以下の4つの評価基準に基づいて採点されます。
1.質問に適切に答えているか 2.一貫性 3.語彙力 4.文法力
・Task1, 2ともに指定された語数に達していないと減点
・不完全な文章、メモ形式や箇条書きの解答は減点
・スペリング、文法の間違いも減点
Speaking
【試験時間:11〜14分】
試験官とのマンツーマンのインタビュー形式で行われ、3つのパートから構成されています。また、会話は全て録音され、試験センターでまとめて採点されます。
Part 1では、自己紹介と日常生活に関する質問が5分程度で尋ねられます。
基本的には、試験官が自己紹介をした後、受験者の名前を尋ね、本人確認をします。その後、家族、仕事、勉強、趣味などの一般的なトピックについて質問されます。
Part 2では3〜4分程度の時間が設けられます。
まず、トピックと言及すべきポイントの書かれたカード(Task card)が渡され。1分間の準備時間とメモを取るための鉛筆と紙が与えられます。その後、2分程度のスピーチを行い、スピーチの後には、試験官から同じトピックについて1、2問質問されます。
Part 3では5分程度のディスカッションを行います。
Part 2のトピックに対して、より掘り下げた質問が試験管に尋ねられます。トピックにつおいてより深く自分の意見を述べなければなりません。
シドニーの語学学校の先生曰く、一問につき最低でも7文は答えて欲しいわね、だそうです。
【採点方法】
受け答えは流暢さと一貫性、語彙力、文法力、発音、の4つの評価基準に基づいて採点されます。
バンドスコアについて
テストの結果は、上記のように公式にレベル分けされており、1.0(初心者レベル)から9.0(ネイティブレベル)までの0.5刻みのバンドスコアで示されます。前述のように合格・不合格はありません。
成績証明書にはListening, Reading, Writing, Speakingの各パート毎の英語力が示され、総合評価としてOverallのバンドスコアが示されます。
では、以下に細かく説明をしてきます。
・9 : Expert User(エキスパート・ユーザー)
十分に英語を駆使する能力を有している。適切、正確かつ流暢で、完全な理解力がある。
・8 : Very Good User(非常に優秀なユーザー)
時折、非体系的な不正確さや不適切さが見られるものの、十分に英語を駆使する能力有している。慣れない状況においては、誤解が生じることもあり得る。込み入った議論にうまく対応できる。
・7 : Good User(優秀なユーザー)
時折、不正確さや不適切さが見られ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を駆使する能力を有している。複雑な言語も概してうまく扱っており、詳細な論理を理解している。
・6 : Competent User(有能なユーザー)
不正確さ、不適切さ、および誤解がいくらか見られるものの、概して効果的に英語を駆使する能力を有している。特に慣れた状況においては、かなり複雑な言語を使い熟すことができる。
・5 : Modest User(中程度のユーザー)
部分的に英語を駆使する能力を有しており、大概の状況において全体的な意味を掴むことができる。ただし多くの間違いを犯すことも予想される。自身の分野においては、基本的なコミュケーションを行うことができる。
・4 : Limited User(限定的なユーザー)
慣れた状況においてのみ、基本的能力を発揮することができる。理解力。表現力の問題が頻繁に見られる。複雑な言語は使用できない。
・3 : Extremely Limited User(非常に限定的なユーザー)
非常に慣れた状況において一般的な意味のみを伝え、理解することができる。コミュケーションが頻繁に途絶える。
・2 : Intermittent User(一時的なユーザー)
確実なコミニュケーションを行うことは不可能。慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、極めて基本的な情報を単語の羅列や短い定型句を用いて伝えることしかできない。英語による会話、および文章を理解するのに非常に苦労する。
・1 : Non User(非ユーザー)
いくつかの単語を羅列して用いることしかできず、基本的に英語を使用する能力を要していない。
ちなみに僕は、
フィリピン留学最終のテストで、General 6.0(英語学習4ヶ月目)、
シドニーでの本試験で、Academic 6.5(英語学習6ヶ月目)をオーバーオールで取得しました。
ちょっと体感的には分かりづらいかもなので、下に他の英語試験との対照表を貼っておきます。
この対照表は公式に発表されているものではありません。
IELTSはAcademicベースで記載されているため、内容はよりアカデミックなもの、対してTOEICはビジネスよりの英語なので、厳密には比較できないのです。
ただ、こうしてみると、筆者ももう少しで英検1級に挑戦できるくらいのレベルなのかな、と思ったりもします。(実際受けたらボコボコだと思う。笑)
まとめ
どうでしょうか。だいたいIELTS試験についてはわかっていただけたでしょうか。
また、下に2つIELTSに関するリンクを貼っておきます。
きっともっと色々な情報を得れるはずです。
・IELTS(アイエルツ)公式テストセンター | 公益財団法人 日本英語検定協会
・IELTS Home of the IELTS English Language Test
この記事を踏まえた上で、次回はフィリピン留学でのIELTS対策コースでの勉強の様子について記していきたいと思います。
では今回はこれまで!